今回は、ついに登場した初の1kg切りX1 Carbonである「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」を購入して使ってきたのでレビューします。
おなじみ打ちやすいキーボードをはじめとした入力周りのレベルの高さはもちろんのこと、最新Core Ultraシリーズ2であるCore Ultra 7 258Vを搭載したパフォーマンスの高さ、それ以外にも多数のハイクオリティで便利な機能や工夫に溢れています。
レノボをはじめ昨今のPCは、1つのモデルであってもRAMやCPUなどでおびただしい数のスペック組み合わせがある中、本機のスペック構成は基本的に1種類。「これが答えだ!」といわんばかりの気合いに満ちあふれた一台です。
ハイエンドのWindowsモバイルノートPCとしては、目下最高の選択肢の一つとなるでしょう。
本機は現在、レノボ公式ストアのこちらのページで、税込286,880円~で販売中。ずっと定価のままで販売されているので、当分大幅値下げは無いでしょう。
なお、「28.7万、高ェ…」という方のために、↓で最新1kg切りハイエンドモバイルノートPCを比較していますのでこちらも参考にしてみてください。
それでは、見ていきましょう!
概要とスペック
個装箱は、昨今流行の再生素材っぽいもので作られています。ACは別の段ボール製ケースに入っています。モバイルノートはACを個装箱に入れられないものが多いのはなぜなんでしょう。不便なので同梱物を全部入れられるものにしてほしいです。
同梱物は↓の通り。本体とAC、マニュアルです。
ACはUSB-Cで、出力は65w。GaNなのでとてもコンパクトです。
天板にはレノボロゴとおなじみX1 Carbonロゴ。マットブラックでかなりの高級感。
”ThinkPad”の部分はミラーになっています。
上部に出っ張りがありますが、これは天板を開きやすくする取っ手になるとともに、Windows Hello対応顔認証対応のフロントカメラがあっても↓のように極薄ベゼルを実現してくれています。ちなみにフロントカメラは物理シャッター付き。
スペックを見ておきます。
CPUはCore Ultra 7 258V(8コア、LPEコア最大3.7GHz、Pコア最大4.8GHz、32GB MOP)、Intel Arc Graphics 140V、32GB LPDDR5x-8533MHz RAM、1TB M.2 2280 PCIe NVMe Gen5ストレージ、14インチ(2880×1800)光沢無しマルチタッチ非対応有機ELディスプレイ、HDR500、400ニト、120Hzリフレッシュレート、1080pプライバシーシャッター付きwebカメラ、57Whバッテリーとなっています。
顔認証・指紋認証センサ搭載で、キーボードはバックライト付き日本語配列。
価格は286,770円~359,700円までありますが、違いはWindowsがHomeかPro、プレミアサポート年数(1 or 3年)、マウス等の付属品となっています。
基本的にスペック構成が1つなので、あまり迷うことはないでしょう。
1kg切りということで、重量は↓でレビューしたThinkPad X1 Nanoシリーズに並びます。
それでいて今回の新Carbonは画面サイズが14インチと大きくなっています。両方ともハイエンドモデルとなっていますので、これによりNanoシリーズは第13世代Coreプロセッサ搭載の現行機であるGen 3で終了となる可能性が高そうです。
ポート類ですが、右側面には電源ボタン、3.5mmイヤホン・マイクジャック、USB3.2 Gen1 Type-A、HDMI、セキュリティホール。
左側面には、USB3.2 Gen1 Type-A、Thunderbolt 4(USB-C)となっています。nano SIM対応バリアントもあるようですが、現在日本では販売されていません。nano SIM対応版の場合、↓のUSB-Cの2ポートの右側にスロットがつくようです。
底面は↓の通り。
重量は公称よりも若干軽い実測978g。
実際の使い勝手
さて、実際の使い勝手を見ていきましょう。
1kg切りで軽いです。が、昨今は900g切りや800g切り、富士通に至っては700g切りのモバイルノートも出ている中なので、モバイルノートが好きな方にとっては特に驚きはないでしょう。従来の1.1〜1.2kgあったCarbonに親しんだ方にとっては、明らかな軽量さの進化を実感できるでしょう。
極薄ベゼルということもあり、フットプリントは13インチモバイルノートほど。11インチiPad Proと比較すると、↓のようなサイズ感。
地味に感動したのがヒンジです。
VAIOなどでも訴求されていますが、本機も指先で開けられる軽さです。↓のように接地面が不安定でも、スッと開きます。閉じるときも同様。1kg切りノートを指1本で開けるのはとても快適です。
最大で↓まで開きます。
指1本で開けて、すぐに画面ONになり、同時に顔認証で迅速にアンロックされるので使い始めが快適です。使うたびに繰り返す動作が快適というのは重要ですよね。
キーボードはいうまでもなく最高です。このために買ったと言っても過言ではありません。もはや説明不要でしょう。誰も使わないであろうCoplitキーとカーソル・PgUpキーの間にあるのは指紋認証センサ。
キータッチは固すぎず柔らかすぎず、浅すぎず、プログラマや論文書きなどキータイプを多く行う方にとっては快適そのもの。微妙にキートップが浅くなっている気がしますが、しっかりとした打鍵感はまったく健在です。
赤丸ポチのポインティングデバイスも、キーボードのホームポジションから手を動かすことなくカーソル操作ができて相変わらず最高です。
また、X1 Carbonはタッチパッドが優れています。軽さに惹かれて富士通LIFEBOOKやNEC PCのNEXTREME Carbonを買っても1週間でストレスの余り手放すというのをほぼ毎年繰り返しているのですが、最大の理由はタッチパッドとキーボードです。
LIFEBOOKなどと比べてX1 Carbonのタッチパッドは、指先に吸い付くといいますか、スマホでいうところのタッチサンプリングレートが明らかに高いです。MacBookやX1 Carbonのタッチ操作に慣れると、個人的にはLIFEBOOKなどのタッチパッドは使えば使うほどストレスが溜まります。
ベンチマークスコア
ベンチマークスコアを見ておきましょう。
CINEBENCH R23の計測値は、シングルコア1,845pts、マルチコア6,068pts。
特にシングルコア性能が非常に高くなっています。
FF15ベンチは、軽量品質・FullHD・フルスクリーンで「普通」の4,352。
FF14ベンチは、同設定で「やや快適」の6,354です。
PCIe NVMe Gen5のストレージは読み書きともに見たことがないほど高速なスコアです。
ゲーム用に本機を買う人はほぼいないと思いますが、もしゲーム用のノートPCが欲しいならゲーミングノートを買った方が良いでしょう。最近は軽めのものも出ていますし。あちらはTDPその他チューニングをゲームプレイに最適化しています。
コーディング、データ分析、オンライン会議、AI活用などのお仕事PCとして最適なパフォーマンスになっています。
Smart Modeというお仕事特化型の機能がたくさん搭載されていて、たとえばネット接続時にVPNを自動起動したり、肩越しに人が画面をのぞき込んだらアラートが出たり、ビデオチャットでプレゼンターに自動フレーミングしたりなど。ビジネスパーソンのための極上PCになるような機能が盛りだくさんです。
道具であることに徹した至高のビジネスモバイルノート
以上、「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」を見てきました。
様々なビジネスシーンで使われ、パフォーマンスが高いのは当たり前、仕事を邪魔せず最高のタイパが求められるハイエンドのビジネスモバイルノートパソコンにおいては、操作にあたってのちょっとした違和感やお節介機能が大きなストレスにつながります。
本機のすごさは、欠点の無さです。派手な機能などではなく、そういうちょっとしたストレスを感じさせないよう、道具としての完成度を極限まで高めています。
というわけで、ビジネスモバイルノートパソコンというカテゴリにおいては、最高峰の選択肢の一つであることは間違いないので、気になった方はぜひチェックしてみてください!
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