TRMNLとSeeed Studioの協業により、7.5インチのE Inkディスプレイを搭載した低価格DIYキットが発売されました。Wi-Fiやバッテリーを内蔵しながら、価格はわずか36ドル。ニュース表示や天気予報、カレンダーなどを自作デバイスで楽しみたいユーザーにとって注目のアイテムです。
TRMNLとSeeed Studioが共同開発したDIY向けE Inkキット
ハードウェアとオープンソースソフトウェアの両面で注目を集めるTRMNLが、Seeed Studioと連携し、新たに「TRMNL 7.5インチ(OG)DIYキット」を発表しました。価格は36ドルと非常に手頃で、これまでのTRMNL製品(139ドル)よりも大幅に安価な選択肢として展開されています。
このキットは完成品ではなく、DIYユーザー向けに構成された開発キットで、以下のコンポーネントが含まれています。
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ディスプレイ:7.5インチ、800×480ピクセル、モノクロE Inkパネル
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制御基板:XIAO ESP32-S3 Plus搭載のePaperディスプレイボード
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バッテリー:3.7V / 2,000mAh(7.4Wh)充電式リチウムイオンバッテリー
ケースは付属していないため、利用者自身で3Dプリンターを用いて筐体を製作する必要があります。Seeed Studio公式サイトでは、複数の3Dプリント用デザインデータも提供されています。
Wi-Fi搭載で最大3か月駆動、情報表示端末として活用可能
搭載されているXIAO ESP32-S3 Plusは、最大240MHzで動作するデュアルコアCPUを備え、Wi-Fi 4(IEEE 802.11n)とBluetooth 5.0 LEに対応。NFCアンテナピン、USB Type-Cポート、電源・リセットボタン、ユーザー定義キー(3つ)も実装されており、柔軟なカスタマイズが可能です。
バッテリー駆動については、6時間ごとの更新頻度に設定すれば、最大約3か月間の連続使用が可能とされています。これは天気予報やカレンダーなど、頻繁な更新を必要としない用途に適しています。一方で、株価やスポーツスコアのようなリアルタイム性が求められる情報を表示したい場合は、更新頻度を上げることで対応できます。
電子インク×オープンソースの好例
TRMNLが提供するこのキットは、ハードウェアに留まらず、オープンソースソフトウェアとの連携を重視している点が特長です。自作志向の強いユーザーにとっては、Amazon Kindleなどの既存E Ink端末を「TRMNL化」するための情報も提供されており、DIY文化とオープンコミュニティの融合が感じられる取り組みです。
また、36ドルという価格は、E Inkディスプレイを用いたプロジェクトに初めて挑戦する層にとっても非常に魅力的です。既存のTRMNLハードウェアに手が届かなかったユーザーにとっても、手軽に試せる選択肢となるでしょう。