ポータブルゲーミングPCに、新たに「TerransForce Handle 5」が発表されました。
こちら、AMD Ryzen 7 7840Uを搭載したハイスペック機で、↓のようにカラーはホワイト。ミニPCやポータブルゲーミングPCをオンライン販売するMinixPCで販売される予定です。
そして価格は650ドル(約9万7千円)~となっていて、ようやく大手メーカー以外からも、適正価格での新機種が出始めた形。
CPU以外のスペックは、Radeon 780M GPU、16GB LPDDR5 RAM、1TB PCIe4.0 SSDストレージ、50Whバッテリー、7インチ1080pの16:9ディスプレイ、最大120Hzリフレッシュレートなど、良好な構成です。
これまで繰り返し書いてきたとおり、GPDやAYA、One-Netbookなどの中国のマイナーメーカーは、ポータブルゲーミングPCのプライシング戦略を誤っている可能性があります。
従来はそういった中国の中小メーカーしかなかった市場だったので、高い値付けでも競合がおらず一部ユーザーは購入していましたが、ASUSの「ROG Ally」の登場で市場の前提が変わりました。
マイナーメーカー群のハイエンド機同等のスペックで、10万円という値付けで投入したためです。
それまでマイナーメーカー群は、同スペックで20万円くらいで販売していましたが、一気に相場を押し下げられた形。
もちろん、ASUSはポータブルゲーミングPCとして桁違いの販売台数を獲得しており、この市場の覇権を取りました。
これに対抗するように、レノボからも「Lenovo Legion Go」が登場。日本発売は今後ですが、ROG Allyを上回るコスパでガチバトルの構えです。
さらにASUSもROG Allyの価格を下げる動きを見せるなど、ポータブルゲーミングPCは巨人同士が戦う市場に様変わりしました。
また、Steamを運営するValveも、Windows機ではありませんが、↓のSteam Deckで世界的に大ヒットを飛ばしています。
Steam Deckは、価格据置でスペックがパワーアップしたマイナーバージョンアップ版「Steam Deck OLED」を発売するなど、据置機的な商品戦略をとっているのもユニークです。
大手メーカー参入前、GPDやOne-Netbook、AYANEOなどは高い値付けのポータブルゲーミングPCで我が世の春を謳歌していました。他に選択肢がなかったため、高い値付けでも売れたわけです。
そこに、スペックが高く、価格が安く、ブランド力もサポートも販路も充実した世界的な大手メーカーからの参入が相次ぎ、突如として非常に厳しい状況に置かれることになっている形。クラウドファンディグの出資数も、ASUS登場前と比べて明らかに激減しています。
こうなると、競争原理からみて当たり前ですが、彼らは大手と同じスペックのものを大手よりも安い価格で出すか、全く異なる付加価値を持った端末を出すしか生き残る道はありませんが、今はそのような新たな競争環境に順応できていないようです。相変わらずスペック同等か一部上回る構成で、価格も高いマシンを出し続けています。
そんな中で、Ryzen 7 7840U搭載のハイエンド機で1TBストレージが10万円切りという値付けで投入された「TerransForce Handle 5」は、現在の競争環境を正しく認識した戦略を取っているので期待できます。
「TerransForce Handle 5」のプレスはこちら。
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