【シリーズ往年のミニPC名機】モバイルギア(MC/R330)【一つの完成形】

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「シリーズ往年のミニPC名機」とは
小さいPCが大好きなデイリーガジェット編集部が厳選した、ガジェット魂の琴線に触れるミニPCの名機を、機種の古今東西問わず紹介していく連載です。
[シリーズ記事一覧]

本シリーズ2回目は、第1回目のSONY VAIO Type-P同様、もはや伝説の名機となっている、NECのモバイルギアです。

デイリーガジェット編集部にある「モバイルギアMC/R330」を取り上げ、モバイルギアの魅力をご紹介します。

モバイルギアとは

NECが1996年から2002年まで製造していたPDA(Personal Digital Assistant)です。

PDAというカテゴリは今や完全にスマホやタブレットに置き換わりましたが、かつてはPalmのようなスタイラスを使う電子手帳タイプからフルキーボードを搭載したこのモバイルギアまで、多くのバリエーションがありました。

一瞬で起動して、メモやカレンダー、メールなどを使うことができる小さなコンピューターです。

モバイルギアは、初期のMS-DOSを搭載したモデルから、Windows CEを搭載したもの、また乾電池駆動のものやバッテリ駆動のもの、カラー液晶のものやモノクロのものなど、様々なブリー−ションがありました。

一貫した特徴は、打ちやすいフルキーボードとコンパクトなボディ、長持ちバッテリーで、外出先でどこでもすぐにテキスト打ちや予定の確認、簡単なドキュメント作成ができることでした。

モバイルギアはしばらく人気機種でしたが、パソコンの小型化などの波の中、その役目を終えて2002年に製造中止します。

MC/R330のスペック

まずは基本スペックです。

  • CPU:VR4121(131MHz)
  • 内蔵メモリ:16MB(別売りの増設RAMボードで32MBまで拡張可能)
  • 表示機能:4階調モノクロSTN液晶
  • 解像度:640×240ドット(7.3型)
  • 入力:キーボード(キーピッチ: 16.5mm)、ペン(タッチパネル)
  • 内蔵モデム:Data: 最大 56Kbps(V.90) Fax:最大 14.4Kbps
  • PCカードスロット(Tyep[roma2]) x 1スロット
  • 入出力インターフェイス:
    • モジュラージャック(RJ-11)
    • 赤外線(IrDA 1.0準拠)、最大通信速度:115.2Kbps
    • シリアル(RS-232C)コネクタ x 1(プリンタ出力可)
  •  電源:
    • <主電池>単3形アルカリ乾電池 2本
    • <副電池>リチウム電池(CR2032) 1個
  • 使用時間:約25時間(乾電池使用時)
  •  外形寸法:245(W)x122(D)x30.5(H)mm
  • OS:Microsoft Windows CE、Handheld PC Professional Edition、Version 3.0(Microsoft Windows CE 2.11)

PCカードスロットや赤外線、モノクロ液晶、メモリ16MB(GBじゃない!)など、今となっては完全に時代物のスペックシートです。

ただ、注目していただきたいのは、乾電池2本で25時間連続使用という点です!

乾電池なので、出先でバッテリがなくなるなんて心配はありません。

コンビニでも駅でも、乾電池を買えば使えます。

何より、乾電池でこのミニPCが丸一日使えるなんて、これ一台小脇に抱えてどこへでも飛び立てそうで、ワクワクする夢がありますよね!

側面はこんな感じです。PCカードスロットなどは、「何だこれ?」と思う方も今や多いかもしれませんが、対応するカードは秋葉原では今でも売っていますよ。

ここに色々なカードを入れれば、何でもできちゃうすごいやつです。USBみたいなものだと思ってください。

写真では、SDカードを読み書きできるPCカードを入れています。

何よりもキーボード

モバイルギアは、何よりまずキーボードが最高なんです。

癖の無いフルキーボードで、タッチタイピングできます。

Mac Bookのまねをしてどこもかしこもペラペラの浅いキーストロークになってしまった昨今、しっかりとした打鍵感があるこの匠のキーボードは、逆に新鮮です。打ちやすさはずっと上です。

NECのパソコンはかつてのPC-98シリーズもそうでしたが、とにかくキーボードが打ちやすい。

打鍵感だけで無くデザインも、東プレの高級キーボードによく似ていました。

ゲームボーイのようなモノクロ液晶

カラー液晶モデルもありましたが、本機はモノクロです。

モバギといえばモノクロ液晶でしょう!という方も多いと思います。

バックライトがないため(搭載モデルもあります)、暗いところでは見えません。

ただ、なんとも言えない落ち着いた雰囲気が、このモノクロ液晶にはあります。

また、Windows CE搭載で、WordやExcel、Power Pointのほか、NECのMGエディタなど使いやすいエディタやメーラーもプリインストールされています。

スタイラスペンでタップすると、キュッ、という効果音が鳴ります。

本機にはATOKもプリインされており、文章入力する人にとって理想の環境が揃っています。

おわりに 今でも使えるし!

本連載でもいずれ取り上げようと思いますが、「モバイルギアの再来か!?」などと一瞬騒がれたNECのAndroid搭載のLife Touch Noteは、今起動しても何もできません。Androidのバージョンが古すぎて、アップデートもできないですし、アプリも正常に動かないんです。

その点、モバイルギアは、ネット接続などは制限されますが、この筐体の中で世界が完結しているため、しかも乾電池駆動なため、今でもテキスト打ちなどでは問題なく活用できます。

これ以上に打ちやすいモバイルキーボードは今でもありませんし、外部とのデータのやりとりはSDカードでできます。

つまり、pomera的使い方であれば、未だに十二分に活躍できる名機なんです。

この時代のマシンには、「使い捨て感」が少なく、一台を大事に使ってもらおうという愛が込められている気がします。ユーザーも、そんな一台だからこそ、未だに根強いファンがいるんだと思います。

モバイルギアのDNAは、キングジムのpomeraに受け継がれているようにも思います。

これからも、伝説になったモバイルギアのような名機が、発売されることを楽しみにしています。

おわり

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