シリーズラジオデパートのお店とは
伝統的なパーツショップやジャンクショップの閉店ニュースが日々流れる秋葉原。
そんな寂しい時勢に負けず、ジャンク通り入り口にある「ラジオデパート」には、深センにも負けないディープで面白いお店がたくさん入居していて、わくわくさせられます。
パーツの知識がなくとも、レトロPCを全く知らなくても、足を踏み入れれば、つい欲しくなってしまうガジェットにいくつも出会えるはずです。
そんな「ラジオデパート」のお店を取材して、その面白さ、奥深さをお伝えし、入りにくいと思っている方の肩を少しでも押して、末永いラジオデパートの繁栄に少しでも貢献できたら、という想いでこのシリーズを始めました。
アキバの魅惑ビル、ラジオデパートのお店を取材するこの連載。
今回は、近頃増えてきたインド・パキスタン系の人がやっているガジェット店の老舗「Tokyo PC」です。
ラジオデパート入ってすぐの右手にあり、レジは下記の通り。
近頃、アキバにこういうタイプのお店が増えていますよね?
でも、スマホやMacBookが並べられているけど、はっきり言って「この手のお店って何なんだ?」という素朴な疑問がわいてくると思います。
看板からして、外国のようで、あまり親近感がわくようなデザインではありませんよね。
実際、この手のお店は、これまで取材した中東やヨーロッパの電気街にはたくさんあります。
いずれも、やはり多くはインド・パキスタン系の出稼ぎ労働者がやっています。
親しみがわかないのは、それもそのはず。
取材して分かったのですが、実は多くのアキバのお店とは、ターゲットカスタマーが明確に異なるのです!
今回は、ラジオセンターの「Tokyo PC」を取材しました。
店主にインタビュー
さてこの「Tokyo PC」、15年前からある、このタイプのお店の老舗とのこと。
店主によれば、顧客はほぼ全員が、外国からの観光客。
彼らに対して、グローバル仕様の中古端末や、日本での旅行中に使うSIMカードを販売しているとのこと。
売れ筋はAppleとSamsungとのことです。
グローバル仕様の端末は、iPhoneやXperia、Galaxyいずれも、日本のSIMをそのまま刺しても通信ができなかったり、遅い帯域しか対応していないことがあります。
また、おサイフケータイなどの便利機能も対応していません。
しかも一言で「グローバル仕様」といっても、世界中で使えるわけではありません。
各地域にはそれぞれに対応した通信機能があって、たとえばiPhone一つとっても
- 日本版
- アメリカ版
- 中国版
- 香港版
- ヨーロッパ版
などたくさんあって、対応する周波数帯や細かい機能が異なります。
つまり日本版以外をアキバで売っても、多くのユーザーにとっては満足には使えないのです。
逆に外国人観光客の立場では、ヨドバシなどの量販店で端末を買っても、本国では使えないこともあるのです。
「Tokyo PC」をはじめとした、外国人観光客向けに端末を売っているお店では、彼らに売るための端末に特化しているというわけです。
店内の様子
ノートパソコン、タブレット、スマホが並べられています。
ノートパソコンは、Apple、東芝、HPが多いです。
日本で人気の、LenovoのThinkPad XシリーズやPanasonicのLet’s noteシリーズが少ないのが印象的です。
タブレットは、iPad miniやLenovoなど。
いずれも、1万円台のミドル〜ロースペックもしくは数世代前のものが売れ筋のようです。
キーボード搭載の8.4型タブレット、Galaxy Tab Sがたくさん置かれていました。
Android 4.4.4なのでかなり前の機種ですが、NTT DoCoMoでも採用されていたモデルです。
古い機種なので普段使いは難しいですが、大きさは魅力です。
端末ともう一つの売れ筋である、観光客向けのSIMも置かれています。
これも、観光客以外が買うメリットはなさそうです。
スマホケースの棚もありました。
こちらは売れ筋であるMacBook。
久々に、白いMacBookを見ました。
おわりに
いかがでしたか?
ターゲット顧客が外国人観光客のこのタイプのお店、置かれている機種のトレンドが、他のお店とはかなり異なるのが印象的でした。
観光客向けに特化しているため、ここで買うというのはあまりないかもしれませんが、Galaxy Tab Sのように、めずらしいモデルが並んでいたりして見るのは結構面白いです。
おわり