下記でご紹介した、ラジオデパートにある「家電のケンちゃん」
このケンちゃんで、珍しいマシンが展示してあります。
それが、↓です!
非売品ですが、Macintosh LC IIです!
また、筐体だけでなく、↓のようにSVGAモニタに出力して動作しています。
解像度は、800 x 600で、しかもモノクロ。
本体は非売品ですが、モニタの方は¥5,000円で売られているようですね。
ご存じの方も多いかと思いますが、実はこのMacintosh LC II、今に連なるMacにとって、重要な意味を持つモデルなんです!
iMacの直系のご先祖様
Macintosh LCの「LC」は、「Low-cost Color」の略と言われています。
このシリーズが出る前、カラー表示が可能なMacは、100万円近くするMacintosh IIシリーズしかありませんでした。
その後1990年に、低価格化路線をとったAppleが投入したのが、モノクロのモニター一体型の流れをくむMacintosh Classicと、このMacintosh LCだったのです。
Macintosh LCシリーズのコンセプトは、カラー表示可能で安価なMacです。
「ピザボックス」と呼ばれる、平べったい特徴的な筐体で、純正12インチモニタと横幅がぴったり合うように設計されていました。
そして、このMacintosh LCシリーズに、ソフトウェア、キーボードをバンドルして、「箱から出してコンセントに差し込んだらそのまま使える」ようにしたのが、Performaシリーズです。
Performaは、「持っていた!」という方も多いかと思います。
ローコストのMacintoshで、初心者やホームユース、教育市場向けとして発表されました。
Claris Worksなど多くのソフトウェアがはじめからバンドルされ、キーボード、マウス、モデムなどが付属していました。(それらは当時、別売りが当たり前でした)
この「箱から出してコンセントに差し込めばそのまま使える」というコンセプトは、他の多くのメーカーもその後追随しました。
そして、この「箱から出してコンセントに差し込めばそのまま使える」ホームユースの安価なMacintoshの正統後継が、スティーブ・ジョブズが出して有名になったボンダイブルーのiMacです。
今でこそiMacはそこそこなお値段がしますが、そもそもこれがヒットした理由は、「安くてかわいい」からでした。
その後は、このiMacもMacBookも、「ミニマリズム」と呼ばれる、アルミニウム削り出しの、今やおなじみのAppleのデザインに進化していったのです。
つまり、
「安価なカラー表示Macintoshとして登場したMacintosh LC」
に、キーボードやマウスをバンドルして
「箱から出したらそのまま使えるモニター一体型パソコンとしてのPerforma」
として進化し、それをさらに
「拡張性を削り落としてデザインをかわいくして、さらに低価格にしたiMac」
へと進化したというのが、現在のiMacの系譜です。
Macintosh LC II
このように、現在のAppleを象徴するプロダクトの一つであるiMacへと至る進化の系譜のご先祖様にあたるMacintosh LCシリーズの2代目が、「家電のケンちゃん」に展示してあるMacintosh LC IIなのです!
そんなことを考えながら展示を眺めると、きっと味わい深いものになると思います笑
おわり