「DragonBox Pyra」という、Linux搭載のUMPC(超小型ノートパソコン)が、プレオーダーしたユーザーに対して、プロトタイプの発送を開始したようです。
↓のように、ゲームパッドがついたUMPCで、ディスプレイサイズは5インチなので、昨今主流の8インチクラスと比較してもかなり小さいです。(ただし厚みはランチボックス級です)
見た目はGPD社のゲーミングUMPCであるGPD Win2に似ています。↓
ただ、GPD Win2の模倣ではありません。
なにしろこのDragonBox Pyraは、6年ものあいだ開発が続いているんです!
苦節6年でまだ未完成
DragonBox Pyraは、Linuxのフリーウェアのゲームや、オープンソースのゲームをプレイすることを主目的に開発が続けられてきたオープンソースハードウェアです。
開発やユーザーコミュニティは、主にこちらのフォーラムをベースにしています。
元々は2010年に出た↓のOpen Pandraと呼ばれるHomebrewなLinux UMPCの後継として開発がスタートしました。
こちらのページからオーダーができますが、RAM容量やモバイルデータ通信対応有無によって、330~400ユーロ(約4万円~5万円)の幅があります。
「発送がいつになるかはわかりません」と明記されており、実際6年間も待たされてきたわけですが、このたび一部のユーザーにプロトタイプが発送されたということです。
スペックは下記の通りで、ユーザーコミュニティによる愛で支えられている感じがして微笑ましいですね。
- CPU:TI OMAP5デュアルコア ARM Cortex A15
- OS:Devian
- ディスプレイ:5インチ(1280×720)タッチ対応
- RAM:2GB もしくは 4GB
- ストレージ:32GB eMMC
- バッテリー容量:6,000mAh(取り外し可能)
- 拡張性:USB 3.0 x1、USB 2.0 x2、Micro USB(充電兼用)、3.5mmイヤホンジャック、MicroHDMI
- その他:バックライト付きキーボード
現状の不具合
ハードウェアはおおむね完成しているようですが、ソフトウェアがまだまだ途中といった様相です。
タッチスクリーンが不正確になったり、ポインティングナビゲーションボタンが現状機能しなかったり、システムを落としてもバッテリーが消費されたりします。
ただ、今後のソフトウェアアップデートによって徐々にフィックスされていくでしょう。
ここまで長い時間がかかりましたが、これからさらに長い時間をかけて完成度を高めていくと思います。
そもそもGPDやOneMixのような、マスに向けて何千台も販売するようなモデルとは異なり、本機は熱狂的なHomebrew Linuxコンピューターギークたちに捧げるオープンソースハードウェアです。
こういう文化が、2020年もますます栄えていくといいですね。
本機の最新情報はこちらから追うことができますよ。
おわり
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一見怪しいですが実は心優しい、デイリーガジェット動画部のケン氏がゆるい感じにレポートしています。
↑デイリーガジェット動画部のケン
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