シリーズ色んな街の電気街・オタク街とは
アキバを愛してやまないデイリーガジェット。
めくるめく電気街・オタク街である秋葉原の魅力は、常に進化し続けています。
ただこのシリーズでは、少しアキバから目を転じて、アキバほどの規模はなくとも、実は色々な国の色々な街にある電気街・オタク街を取材します。
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本連載2回目は、福岡県福岡市の電気街・オタク街を取り上げます。
取材のため出張に行ったのですが、今回は「①電気街編」として、次回「②オタク街編」をアップいたします。
(アップしました!)
福岡市の繁華街と代表的な家電量販店
福岡県は、ご存じ政令指定都市が2つあります。
北九州市と福岡市です。
今回取り上げる福岡市は、人口が150万人を超え、現在も増え続けており、子どもも多く、大変に活気ある街です。
また、福岡市だけでなく、周辺には大野城市、久留米市、太宰府市、宗像市など、大きなベッドタウンをいくつも抱えており、都市圏としては相当な規模を誇ります。
その福岡市の中でも、「繁華街」といった場合、大きく2つあります。
「博多」と「天神」です。
それぞれ、博多駅(JR、地下鉄空港線)、天神駅(地下鉄空港線、七隈線、西鉄大牟田線)を中心としたエリアで、企業の本社・支社や官公庁、行政機関、郵便局、複合商業施設などのビルが並んでいます。
これほどの街ですから、もちろん家電量販店などのガジェットを売っているお店はたくさんあるのですが、一番大きいのは
- ヨドバシカメラ博多(博多)
- ビックカメラ天神1号館・2号館(天神)
- ベスト電器福岡本店(天神)
の3店舗でしょう。
上記の中でも一番の老舗は、福岡発祥の家電量販店であるベスト電器です。
ベスト電器福岡本店
現在は、ビックカメラの系列になっていますが、屋号はそのまま残っています。
じゃあ、「電気街」は?
家電量販店は、多くの街にあります。
ですが、この連載の主旨は、アキバ以外の「電気街」を紹介することです。
では、福岡市に電気街はあるのでしょうか?
実は、かつて2000年前後まで、福岡市には、「電気街」と呼べるエリアがありました。
それが、下記の地図にある、博多駅から福岡空港に向かう空港通りと呼ばれる幹線道路沿いの一帯です。
ここには、新品・中古パソコンやパーツ、周辺機器、中古や同人のソフトやゲーム、また家電量販店など、「電気街」と呼ぶにふさわしいお店が点々と存在していました。
もちろん、アキバほどの密集度はありませんが、徒歩や自転車でぶらぶらしていると、そこかしこにそうしたお店を目にすることができたのです。
ただ、アキバと同じく、ネットの普及によって、それらの店舗はことごとく閉店してしまい、現在では飲食店などまったく別の店に変わっています。
下記が、かつて博多の電気街と言うべき通りだった「空港通り」です。
今では何の変哲もない幹線道路になっています。
電気街の面影は無くなってしまったの?
街は、いくら災害や戦争でリセットされたように見えても、必ずどこかにかつての「面影」が残っているものです。
ブラタモリなどでは、それを「地形」に求めることが多いのですが、確かに上物が変わったとしても、「地形」はとても変わりにくい要素の一つでしょう。
そして、かつて「電気街」があったこの空港通りにも、当時の面影がないものかと探していると、とてもわかりやすい形で、一つだけありました。
「アプライド」がまだ元気に営業中だったのです!
アプライドは、もともと「フクオカ電子パーツ」という社名の、福岡発祥の家電量販店の一つで、かつては秋葉原にも店舗を持っていました。
現在でも、関西や九州を中心に、25店舗が営業中です。
ただの家電量販店ではなく、マイナーなソフトや中古パソコン、ショップブランドPCなどを扱う、玄人好みのお店でした。
そしてこの空港通りにある「アプライド博多店」は、周辺の電気街の中心的存在だったのです。(今のアキバのヨドバシのようなイメージでしょうか)
早速店内に入ってみましょう!
アプライド店内探訪
まず入り口をくぐると、よく分からないお兄さんが座っていました。
左右に見える初売りの看板、抽選ですが、格安でパソコンやゲーム機がセールで出されています。
そして階段を上がると、メインの売り場です。
電気街があった時代、この階段を上がるたび、めくるめくパソコンの世界にワープするようで、ワクワクしたのです。
広い売り場は、巨大な看板で「他店の価格には絶対に負けません!!」とあります。
たしかにアプライドは、様々な工夫で、安くパソコンが手に入るお店です。
お正月の時期だったため、設定済みの超即納パソコンとして、5万円〜のノートパソコンのセール品が並べられていました。お買い得感にワクワクしますね。
また、中古PCコーナーも、相変わらず充実しています。
アキバの中古PCは、Let’s noteとThinkPadの構成比が高いですが、アプライドもその2ブランドを中心に、様々なブランドが並べられています。
また、リファービッシュ品と呼ばれるメーカー再生品も置かれています。
おわりに
今は、大手の家電量販店が福岡市内の至る所にでき、「電気街」という形で密集する必要はなくなったのかもしれませんが、やはり「電気街」には、ただ商品を購入するだけでない、それ以上の雰囲気や文化のようなものが息づいていました。
そのエリアへ行けば、ものすごくマニアックで詳しい店員さんがいたり、見たこともないような昔のソフトが売られていたり、誰かが店頭のパソコンですごいゲームプログラムを作っていたり。
そんな空港通りの今でした。
後編の「②オタク街編」もお楽しみに!
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