シリーズ色んな街の電気街・オタク街とは
アキバを愛してやまないデイリーガジェット。
めくるめく電気街・オタク街である秋葉原の魅力は、常に進化し続けています。
ただこのシリーズでは、少しアキバから目を転じて、アキバほどの規模はなくとも、実は色々な国の色々な街にある電気街・オタク街を取材します。
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これまで、札幌や福岡、中東・ドバイ、名古屋、中国・深圳とレポートしてきた本シリーズ、今回はスペインのバルセロナです。
バルセロナは、モバイル業界の世界的展示会であるMWCが開催される場所です。
今回、デイリーガジェットでもMWC2019を取材しました。
ということで、スペインはバルセロナにある電気街を取材しました。
どこにあるの?
下の地図にあるとおり、ゴシックという旧市街や、凱旋門、カタルーニャ広場など中心地の有名観光エリアのそばにあるサンタントニ通り(Ronda de Sant Antoni)です。
この通り沿いに、主にスマートフォンや家電を売るお店が並んでいます。
とはいえ、日本や中国と異なり、それ以外の国の電気街というのは基本的にしょぼいです。
日本と中国の二国が桁違いにすごすぎるんです。(あとは台湾、韓国など)
ですので、「ふーん、そんなもんか」とお読みいただければと思います。
サンタントニ通りへ
北から通りに入ると、下記のような風景が見え、これがサンタントニ通りです。
スペインの街並みは雑多で汚いです。(写真は綺麗に見えるかもしれませんが、訪問した方は分かるとおり実際は汚く、治安も悪いです)
通り沿いに、下記の写真のように、一階テナントにお店が入っています。
サンタントニ通りは、これら一階テナントの3分の1くらいがスマホ・家電のお店になっています。
秋葉原や深圳と違って、電脳街という雰囲気はありませんが、確かに電気屋は多いです。
ほとんどのお店は、作りや配置が同じです。
まず入り口には、下記のようにスマホまたはスマホケースが並べられています。
どの店にも趣向を凝らした展示などはなく、値札と簡単なスペック、モックが、メーカーごとに機械的に並んでいます。
値段は、1〜2万円台が中心です。SIMフリースマホですね。
下に見える「MEIZU」は、世界的にシェアを伸ばしている中国のスマホブランドです。SIMフリーに強く、ポジションとしてはOPPOやシャオミに近いです。
スマホだけでなく、ノートパソコンやタブレットも、同じ入り口のエリアに置かれています。
下記は「MEDION」という、日本では見かけないノートパソコンブランドです。
ヨーロッパではよく見かけるブランドで、中国Lenovoの傘下です。
面白いのは、下の写真の下部に見えるように、どのお店もフィーチャーフォン(いわゆる「ガラケー」)が必ずスペースを持っていることです。
NOKIAなどが存在感を持っているのですが、どれも数千円程度で安いです。
スペインは、キャリアからオープンSIMに急速に移行しているため、フィーチャーフォンのニーズが高いのかもしれません。
様々な国を見ていて、キャリアで割賦で買う割合が低い国ほど、フィーチャーフォンの存在感が大きいように感じます。
日本市場は、ドイツ、韓国、イギリス、シンガポールなどと同じく、NTTドコモなどのキャリアで通信と端末をセットで割引で買うのが主流ですが、もし今後、通信と端末の分離で、スペインやフランス、他の発展途上国のようにSIMと端末を別に買うのが主流になってくれば、フィーチャーフォンのシェアが復活して伸びる可能性があります。
スマートウォッチやタブレットも、置いてあるお店が多いです。
スマートウォッチやタブレットも、数千円〜1万円程度の格安のものだけです。
Appleなどの高価格帯のものは、大型店に行かないと置いてありません。
スペインは、街でMacBookを使っている人の割合も、かなり低いです。
失業率もギリシャ並みに高いので、あまり高価格帯のスマホやタブレット、PCを気軽に買える人の割合が少ないのです。
お店の話に戻ると、多くのお店は、奥に入ると、テレビや洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電気自転車、オーディオ、腕時計、カメラなどが置かれています。
どのお店も狭いので、品揃えは多くありません。
一つのカテゴリーで大きな棚を持っているのはスマートフォンなどモバイル機器とノートパソコンくらいで、あとのカテゴリーは、下の写真にあるように、一つの棚の中にゴチャッとまとめて置かれています。
↓はスピーカーコーナーですね。どのお店もこのくらいの規模感です。
また、中には、スマホを置いていないお店もあります。
昔ながらの「街の電気屋さん」的お店でしょうか。
一方で、大型店もあります。
ただ、お店に並べられている商品は、これまでに見てきた個店とあまり代わり映えはしません。
格安のタブレットやスマホ、ノートパソコンやアクセサリー類が、まばらに並んでいます。
ヨドバシカメラなど日本の家電量販店は、世界的に見ても圧倒的に品揃え豊富で、商品も展示も何もかも圧倒的に面白いです。
そういう世界でもトップクラスのレベルを期待していると、ヨーロッパや中東などの家電量販店では基本ガッカリすると思います。
ドイツのメディアマルクトやイギリスのCurrysなどの有名家電量販店も、ヨドバシカメラやビックカメラを見てしまうと、とても貧相だと感じると思います。
だからこそ、ヨドバシやビックには、あれほど観光客が殺到しているのです。
おわりに
いかがでしたか?
外国に行くことが多いですが、行く度に、ガジェット好きにとって日本は圧倒的に恵まれていると思います。
日本以外にも、中国、香港、台湾、韓国と、東アジアはガジェット天国です。
その中心である秋葉原や深圳を見てしまうと、それ以外の国の電気街というのはどうしても貧相に見えてしまいます。
この「シリーズ色んな街の電気街・オタク街」は、「アキバってやっぱ最高」と実感するためのシリーズなのかもしれません笑
おわり