これまでデイリーガジェットでは、7インチ〜8インチの超小型ノートPCいわゆるUMPCの最新情報をずっと取り上げてきました。
近年この分野は、深圳系新興メーカーがこぞって参入しており、かつてVAIO Type-PやLibretto 20などでソニーや東芝などの日本メーカーがこの分野で一世を風靡した時代が再来しているようです。
現在発売中、もしくは今年発売が予定されている各UMPCプロダクトのスペック比較は↓をご覧下さい。
この中で、中国のPC・タブレット大手のChuwiが送り出すのが、8インチのChuwi MiniBookです。
6月にクラウドファンディング開始が予定されていますが、それに先だって特設サイトがオープンしています。
ここでは現在、一般ユーザーに、Chuwi MiniBookを使ってやりたいことを投稿してもらい、その中から抽選で3名にMiniBookをプレゼントするというキャンペーンが実施されています。
すでに↓のように多くの「Chuwi MiniBookを使ってやりたいこと」が投稿されています。
さて、上記の投稿内容は、実は面白いデータです。
なぜなら、「ユーザーがUMPCを使って何をやりたいと考えているか」の調査データだからです。
ユーザーは何をやるためにUMPCを買っている?
7〜8インチの小さなパソコンを使って、みんなは何をやろうと考えているのでしょうか?
漠然と、動画視聴や仕事などが思い浮かびますが、きちんとした調査で示されているわけではありません。
そこで、上記投稿内容をカテゴリに分けて集計しました。
サンプル数は43で、約24%は「具体的な用途」に言及していない無効回答でした。
それ以外の投稿を読んでいくと、下記4パターンに集約されます。
- 時間や場所を選ばず仕事をする
- 学習したり、教育のために使う
- 旅行に持参する
- コンテンツ視聴を楽しむ
実際の回答率で比較したものが、下記になりました。
サンプル数が少ないため、具体的な%にはそれほど意味はありません。
ただ、どういった用途が多いのかという大まかな目安になります。
これによると
- 時間や場所を選ばず仕事をする
というのが圧倒的に多いことが分かります。
それに続いて、学習・教育目的と、旅行に持って行く、というのが続きます。
コンテンツ視聴に使いたいという人はほとんどいませんでした。
つまり、みんなUMPCを「仕事に使いたい」と考えているのです。
これは、実際にUMPCを購入した人に対する調査ではなく、今後欲しいと思っている人が何に使おうと考えているかのデータです。
そのため、どちらかといえばメーカーにとって有用なデータです。
各社のマーケティング戦略とも符合する
下記の記事では、マイクロソフトでSurface Goを開発した人のインタビューが掲載されています。
https://japanese.engadget.com/2019/05/10/surface-go-ms/
下記は、OneMix 2Sの国内向けプレスイベントの内容です。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1185992.html
上記を読むと、どちらの会社も、UMPCをリリースするにあたって「働き方改革」「テレワーク」「業務効率化」などのキーワードを挙げています。
つまり、
- 決まったオフィスに定時に出勤し、仕事をする
というのではない働き方が広がっていて、それに対応するためのSurface Goであり、OneMix 2sである、というわけです。
かつてUMPCは、一部のファン向けにその筐体サイズや機能にフォーカスした訴求が主でした。
競争が激化し、動作速度も現実的になってきた現在では、ユーザーのユースケースに注目した訴求を各社が行っていて、それが「業務効率化」や「テレワーク」「働き方改革」というわけです。
おわりに
いかがでしたか?
GPD MicroPCやGPD Winなど、GPD社はいち早く、ニッチな用途に向けたUMPCをリリースしています。
また、GPD Pocketに始まった7〜8インチのUMPCは、価格競争が始まっている気配があります。
「時間と場所を選ばず仕事をする」UMPC市場で競争が激しくなるにつれ、この分野ではより価格が安くなり、また新たな付加価値を求めてそれ以外のニッチなユースケースにフォーカスした製品が生まれていく。
この市場は、さらに面白くなっていきそうですね。
おわり