かつてネットブックが一世を風靡した時代、その低価格は市場を驚かせましたが、実際はパフォーマンスが低く使えた物ではありませんでした。
かつてのUMPCにも多く搭載されていたAtomプロセッサがその主因です。
Atomの開発が終了した現在、その地位を受け継いだのが、CeleronとCore mプロセッサです。
Celeronは高性能とは言えないまでも、SSDやeMMCストレージであれば最終版のAtomよりも高いパフォーマンスを出しますし、Core mプロセッサは価格は安くはないものの、性能は高めです。
これらのCPUを搭載したPCは、動画編集やゲームとなると厳しいですが、Photoshopでの簡単なレタッチやウェブ・動画閲覧、オフィスソフト利用などは、概ねストレス少なく利用することができます。
現在、中国メーカーによって、これらCeleronやCore mプロセッサを搭載した軽量コンパクトなノートPCが、非常に廉価で販売されています。
種類が多く、スペック情報も情報源によってまちまちだったり、説明の日本語がだいぶおかしいなどの不安要素はありますが、かつてのネットブックよりは確実に「使える」代物になっています。
海外ECサイトにもたくさん出ていますが、入手のハードルや技適の問題もあるため、日本のAmazonで購入できる3万円前後のモバイルノートPCをご紹介します。
今回は、キーボードカバー付きの2-in-1ではなく、いわゆるクラムシェルと呼ばれるノートパソコンで13.3インチ以下を対象とします。
また、Atom搭載のものはパフォーマンスの問題で「使える」とは言いがたいため、CeleronのApollo以降の世代のものに限定します。
これらの条件により、「使える」3万円前後のモバイルノートPCをリストアップし、スペックを整理しました。
代表選手のJumper
Jumperは中国・深圳にあるPCメーカーで、廉価なモバイルPC・タブレットを多数販売しています。
現在、3万円前後のモデルはJumperの独壇場のようになっています。
13.3インチ以下で非Atomのノートパソコンは下記3種類が購入できます。
メーカー | Jumper | Jumper | Jumper |
製品名 | EZ Book X3 | EZ Book 3 Pro | EZ Book X1 |
OS | Windows 10 | Windows 10 | Windows 10 |
CPU | Celeron N3350 | Celeron N3450 | Celeron N4100 |
GPU | UHD Graphics 500 | UHD Graphics 500 | UHD Graphics 600 |
RAM | 6GB | 6GB | 4GB |
バッテリー容量 | 9,000mAh | 4,500mAh | 9,000mAh |
ストレージ | 64GB eMMC | 64GB eMMC | 128GB SSD |
ディスプレイ | 13.3インチ | 13.3インチ | 11.6インチ |
解像度 | 1920 x 1080 | 1920 x 1080 | 1920 x 1080 |
USB | Type-A 3.0 | Type-A 3.0 | Type-C |
MicroSD | o | o | o |
3.5mmジャック | o | o | o |
Micro HDMI | o | mini | o |
サイズ | 不明 | 316 x 209 x 13.5 | 不明 |
重量 | 1.35kg | 1.4kg | 1.16Kg |
価格 | 約27,000円 | 約29,000円 | 約32,000円 |
Amazonリンク |
EZ Book X3 → EZ Book 3 Pro → EZ Book X1になるに従い、CPUパワーがアップしています。
また、EZ Book X1は360度回転のYogaスタイルです。
サイズについては、EZ Book X1のみ11.6インチ、あとは13.3インチです。
解像度はいずれもFullHDで高精細ですね。
EZ Book X3は、下記のように狭めのベゼルが特徴です。
EZ Book 3 Proは、MacBook Airの旧型によく似たデザインですね。
これら2モデルは、スペックも価格もほぼ違いがないため、あとはデザインの好みで選ぶことになりそうです。
EZ Book X1のみ11.6インチなので、持ち運びやすさを重視する方はこれになりそうです。
また、ストレージはX1のみがSSDと高性能になり、容量も倍の128GBあります。
Yogaスタイルも相まって、1ランク上のモデルです。
ただ、それでも価格は32,000円程度と格安です。
大手のChuwi
Chuwiも中国のメーカーですが、こちらは大手になります。
8インチUMPCのChuwi MiniBookを出したことでも有名です。
Chuwiは、Aero Bookという13インチノートパソコンを出しています。
メーカー | Chuwi |
製品名 | Aero Book |
OS | Windows 10 |
CPU | Core m3-6Y30 |
GPU |
Intel HD Graphics 515
|
RAM | 8GB |
バッテリー容量 | 5,000mAh |
ストレージ | 256G SSD |
ディスプレイ | 13.3インチ |
解像度 | 1920 x 1080 |
USB | Type-C |
MicroSD | o |
3.5mmジャック | o |
Micro HDMI | o |
サイズ | 309 x 209 x 15.2 |
重量 | 1.26 kg |
価格 | 約49,500円 |
Amazonリンク |
こちら、価格は約50,000円と、Jumperと比べたら高いのですが、競合他社と比較すると驚くほど安いです。
何より、CPUにCore m3-6Y30を搭載しており、Celeron搭載のJumperとは一線を画します。
その他、8GB RAMや256GB SSD、1.26kgの軽量さなど、モバイルノートパソコンとしてかなりのスペック水準を満たしています。
下記の写真からも分かるように、ベゼルはかなり狭いです。
また、本体デザインは、「一番かっこいい見た目のMacBook」との呼び声も高い12インチMacBookによく似ています。
拡張性も十分です。↓
サブ機として一台持つのはアリかも
この手の格安中華PCは、サポートの悪さや初期不良率の多さ、独特の設定などで、どちらかといえば玄人向けです。
ただ、メイン機を別に持っているユーザーが、気軽に持ち運べるサブ機として持つには、最適かもしれません。
※ご購入の際は、価格や在庫をご確認ください。
おわり
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