下記でレビューした、10.1インチ2-in-1として世界最小フットプリントのモバイルノートパソコン「OneMix4」
狭ベゼルディスプレイのおかげで、(通常7~8インチが一般的な)UMPC(超小型ノートパソコン)と言ってもいい小ささとなっています。
Core i7モデルとCore i5モデルがあり、それぞれにいくつかのメモリバリアントと、英語キーボード版、日本語キーボード版があります。
上記でレビューしたのは、テックワン社にお借りしたCore i7/USキーボード版だったのですが、今回はデイリーガジェットで購入したCore i5/日本語キーボード版が届いてしばらく使い倒したので、レビューをお届けします。
いきなりですが、これは現時点で最も理想的な”UMPC”と言って過言ではないと思います。理由は後述。
価格は、最廉価なCore i5/8GB/256GB版が税込140,800円となっています。
こちらの公式ストア、もしくは下記アマゾンにて購入できます。
【日本語キーボード通常版・プラチナ版】
【英語キーボード通常版・プラチナ版】
Core i7モデルがシルバー、Core i5モデルが↓のようにブルーです。
ただし、昨今の半導体不足を反映して、当初5月予定だった発売日は6月に延び、予約者への発送も遅延となりました。
現在購入すると、最速6月中旬発送となっています。
こればかりは仕方ないでしょう。One-Netbookだけでなく、あらゆるスマホ・タブレット・PCメーカーが煽りを食っています。
それでは、さっそく見ていきましょう!
外観とスペック
こうして見ると11~13インチノートパソコンのようですが、実際はかなりの小ささです。
スペックは下記の通り。
- カラー:ダークネイビー、スペースグレー(プラチナエディション)
- OS:Windows10 Home 64bit
- CPU:Core i5-1130G7/Core i7-1160G7
- GPU:Intel Iris Xe Graphics(96EU)
- RAM:8GB/16GB LPDDR4x 3200MHz
- ストレージ:256GB/512GB/1TB M.2 2280 PCIe NVMe
- ディスプレイ:10.1インチ(2560×1600)LTPS液晶 300PPI
- マルチタッチ:10点
- 色域:sRGB 100%
- キーボード:QWERTY RGBバックライト付
- タッチペン:2,048段階筆圧検知タッチペン対応(別売)
- Wi-Fi:Wi-Fi6 802.11 a/b/g/n/ac/ax
- Bluetooth:5.0
- インターフェース:USB3.0 Type-C、USB4.0 Type-C、microSD、イヤホンジャック
- 生体認証:指紋認証
- バッテリー容量:10,000mAh 3.85V
- バッテリー駆動時間:連続約8時間動画再生
- 充電:15V/3A、20V/2.25A、45w、60wサポート(最大PD45w)
- 保証:1年間
- サイズ:227×157.3×11-17mm
- 重量:769g
- 同梱物:説明書(保証書)、ACアダプター、USB Type-Cケーブル
- 技適:取得済み
Core i5-1130G7、Core i7-1160G7いずれも4コア8スレッド。
通常モデルは8GB/16GB RAM、256GB/512GB/1TB SSDから選択で、プラチナエディションは16GB/512GBもしくは16GB/1TBとなります。
今回レビューするのは、Core i5/16GB/512GB/日本語キーボード版です。
ストレージはPCIe MVNe SSD。通信はWi-Fi6対応。
ディスプレイは2.5kと高解像度、10点マルチタッチや2,048段階筆圧検知。
バッテリー容量は10,000mAhと、持ち運び用ノートPCとしてスペックに不満はありません。
同梱物は下記の通り。予約限定の専用ケース、スタイラスペン、USB Hubは、出荷遅延で予約期間延長のため現在購入してもついてきますよ!
マニュアル類については、国内正規代理店であるテックワン社が入っているだけあり、しっかりした日本語のマニュアルやスタートガイド、保証書が入っています。
アダプターは45w。大きさはそれなりにありますが、軽いです。ただし、これがなくとも一般的なUSB充電器で充電できます。
USB Type-Cポートが1つついています。このほかにUSB Type-C to Cケーブルが1本付属。
USBハブは、Type-CポートしかないOneMix4で有線LANやUSB-Aが使えるようになるもの。
2,048段階筆圧対応ペンはOneMix専用のもので、ペアリング不要です。付属の単5電池を入れたら、そのまま使えます。
想像よりも良かったのがポーチ。PUレザー外装ですが、本体にピッタリで無駄がありません。
外観も高級感があり、これはOneMix4を使うなら欲しいところ。
本体ですが、アルミ外装でブルーは紺に近い印象。指紋がつきやすいのが難点です。
ポート類は、左側面にUSB Type-Cが2つ、microSDカードスロット。
右側面には、指紋認証センサ兼用電源ボタン、USB Type-C、イヤホンジャックです。
重量は実測で778g。富士通のUHシリーズなど、13インチでこれよりも軽いノートPCも出てきていますが、とはいえ700g台というのは持ち運びストレスがほぼありません。
高いディスプレイ品質
One-Netbookといえば、高いスペックと高クオリティなディスプレイ。
本機も例外でなく、10.1インチながらFullHDを超える2560×1600高解像度。発色も良好で高精細で鮮明な見やすいディスプレイ。
ただ、その代わり初期設定では拡大率250%となっています。
少し大きすぎるのと、画面の情報量が少ないため、個人的には175%がベストだと思います。
画面を360度回転させるとタブレットとしても使えます。
ペン利用の時は、タブレットモードの方が良いかもしれません。
初期のOneMixシリーズではタブレットモードの際の背面隙間が気になりましたが、本機はそもそも薄いこともあってあまり気になりません。
UMPCとは一線を画すタッチパッド
高解像度で軽量で2-in-1なだけなら、他にも同様の特徴を持つUMPCはたくさんあります。
本機が優れているのは、10.1インチと画面を大きくして、その代わりベゼルを削ることでフットプリントを最小化させている点です。
それでも7~8インチUMPCよりは広さがあるため、キーボードとタッチパッドがとにかく広いです。
キー配列については、OneGx1 ProやOne-Netbook A1のような7インチモデルにあったFn同時押し記号入力はさすがになくなっていますが、記号キーの場所が変則的なのは継続。
ここは、Let’s note RZシリーズのような変則性のない配列がありがたかったです。
キーピッチの広さを取ったのでしょう。その甲斐?あって、通常英字キーは11~13インチクラスに近い打ち心地。
ただ個人的には、TabをCtrlに、半角/全角をTabに、CtrlをWinキーに、WinキーをAltに、Altを無変換に、@をBackspaceに、というように、配列は全面改修しています。
好みの配列改修を行った結果、ほぼ不満の無いキーボード配列に。
GPD社のキーボードは省略キーが多く、配列をいじっても限界があるのですが、One-Netbook社のテックワン社監修日本語キーボードは省略キーが最小限で日本語設定になっているので本当に助かっています。
キーボード以上に素晴らしいのがタッチパッドです。
たとえばMagic-Ben MAG1などタッチパッド搭載UMPCはいずれも、「一応付いている」レベルの使いにくいさでした。特に3本指・4本指での画面切り替えなどが使いにくかったのですが、本機のタッチパッドはかなりの使いやすさです。
もはや違和感なくカーソル操作ができます。従来のOneMixシリーズの極小ポインティングデバイスは個人的には使いにくかったので、使いやすいタッチパッドになった時点で、OneMix4は神機なわけです。
様々な小型機とのサイズ比較
本機のサイズ感のイメージを持ってもらえるよう、いくつかの小型機と比較してみます。
まずはなんといっても同じ10.1インチの代表選手、最小レッツノートであるLet’s note RZ5です。
RZはまごうこと無き神機なわけですが、それと比較してもOneMix4のフットプリントは↓のように一回り小さいです。同じディスプレイサイズでこれは驚きです。
厚みも同様で、Let’sはポート類充実していますが、薄さだけを見るとOneMix4に軍配です。
UMPCの中でOneMix4に一番サイズ感が近いのが、Magic-Ben MAG1でしょう。
MAG1も打ちやすいキーボードと、小さいながらタッチパッドを搭載しており、「普通のノートパソコン」としてUMPCを使いたい場合にはベストの選択肢の一つでした。
OneMix4と比べると、↓のように、OneMix4が一回り大きくはなってはいます。ただ、実際に持ってみると結構似た大きさの印象。
MAG1もベゼルは狭いです。8.4インチと10.1インチ、結構違いますね。
最大の違い、といいますかMAG1に対するOneMix4の優れた点は、やはりタッチパッドです。これは↓のように違いが歴然。
キーボードはMAG1健闘していますが、Fn同時押しの変則性が高くなっています。
続いては最小iPadであるiPad miniとの比較。画面サイズがまったく違いますね。
続いて、MAG1と同じくOneMix4にサイズ感が近い、GPD Win Maxとの比較。個人的には、OneMix4が出る前までは、UMPCで最も優れたタッチパッドはGPD Win Maxでした。
フットプリントこそOneMix4が一回り大きいですが、厚みはだいぶ薄くなっています。(左がOneMix4)
7インチのOne-Netbook A1と比べると、さすがにフットプリントは二回りほど違いますね。
Core i5モデルベンチマークスコア
ベンチマークスコアを見ておきます。
Core i7モデルは冒頭のプラチナ版レビューにありますが、今回デイリーガジェットで購入したのはCore i5版なので、違った結果が出ています。
まずおなじみCINEBENCH R23から。シングル1,290、マルチ3,612ポイントとなっています。
Tiger Lake共通の特徴ですが、シングルコア性能がとても高いです。
GFXbenchは10,206フレーム。GeForce GTX580とか750Tiと同じくらい。すごいですね。
FF14ベンチは、「標準品質(ノートPC)」FullHD設定で6,928「とても快適」です。7,000近くありますので、事実普通にプレイが可能な性能です。
ストレージはPCIe NVMeなので、下記の通りのスコアとなっています。
現時点で理想に一番近い「UMPC」
以上、見てきたOne-Netbook社の新型10.1インチUMPC「OneMix4」ですが、従来UMPCといえば7~8インチだったところ、10.1インチながらベゼルを薄くしてフットプリントを削り、結果としてUMPCと言って違和感ない筐体の小型化を実現した素晴らしい一台です。
省電力で処理能力の高いTiger Lake、高解像度タッチディスプレイ、メインキーでフルサイズのキーピッチを備えたキーボード、複数本指操作が快適にできるギリギリのサイズのタッチパッド。
「普通の」ノートパソコンとして快適に使える初めてのUMPCが登場したのではないかと感じました。
UMPCといえば、処理速度か入力しやすさかディスプレイか、何らか犠牲になるエクスペリエンスがあり、重視点との折り合いで選択していたものでしたが、こと本機についてはそういったトレードオフがほとんど無いなという印象です。
実際に使ってみると、まあ多くの人はほぼ間違いなく欲しくなるであろうという一台です。
今後、外出時のメイン機に昇格です。
というわけでかなりオススメできる一台、「OneMix4」の価格は、最廉価なCore i5/8GB/256GB版が税込140,800円となっています。
こちらの公式ストア、もしくは下記アマゾンにて購入できます。
【日本語キーボード通常版・プラチナ版】
【英語キーボード通常版・プラチナ版】
デイリーガジェットYouTubeチャンネル!
(”ほぼ”毎日更新中!)
デイリーガジェットでは、UMPC(超小型PC)、スマホ、タブレット、レトロPCをはじめとして、商品のレビューやインタビューの動画を、YouTubeに”ほぼ”毎日公開しています。
デイリーガジェット動画部のVTuberである風林火山朱音とケンがゆるい感じにレポートしています。
ぜひ↓からチャンネル登録をお願いします!