今回は、国内版が登場したGPD社の新型ポータブルゲーミングPC「GPD WIN Mini」をお借りしたのでレビューします。
初代GPD WIN、GPD WIN2から連なるクラムシェル型の親指ポチポチ物理QWERTYキーボードを搭載した手のひらサイズのポータブルゲーミングPCです。
Ryzen 5 7640UもしくはRyzen 7 7840Uを搭載したハイパフォーマンスな構成となっていて、重めゲーム含め快適にプレイできる優秀な7インチ機に仕上がっています。
本機は現在、ハイビーム公式ストアのこちらのページで、Ryzen 5/16GB/512GB版が税込115,100円で予約受付中。Ryzen 7モデルは、32GB/512GBが142,800円、32GB/2TBが165,000円、64GB/2TBが187,400円でそれぞれセール中です。
↓のようにアマゾンでも予約受付中。発送は12月下旬予定となっています。
それでは、見ていきましょう!
外観とスペック
7インチFullHDディスプレイでベゼルも狭く、筐体は↓のように片手で余裕でホールドできるコンパクトさです。
コントローラーは一般的なXbox式の配列で、そのほか中央上部に小型タッチパッド、そして下部半分には物理QWERTYキーボードがついています。
スペックですが、下位モデルのRyzen 5 7640Uが6コア12スレッドでRadeon 760M GPU、上位モデルのRyzen 7 7840Uが8コア16スレッドでRadeon 780M GPUです。いずれも4nmプロセスで、CPUはZen 4、GPUはRDNA 3アーキテクチャ。今回のレビュー品はRyzen 7モデルです。
OSはWindows 11 Home、RAMはLPDDR5-6400、ストレージはPCIe4.0x4 NVMe 1.3/1.4 M.2 NVMe 2230 SSD。ディスプレイは7インチ(1920×1080)。最大リフレッシュレート120Hzで、最大輝度は500ニト。バッテリーは44.24Whで、公称値は重いゲームで2時間駆動、普通ゲームで3~6時間となっています。
サイズは168x109x26mmで、キーボードはバックライト搭載、ほかデュアルリニアモーターと6軸ジャイロ内蔵。
ポート類は背面にまとめられていて、↓のように左からeGPU(後述)を接続するOcuLink(SFF-8612)、microSD、3.5mmイヤホンジャック、モード切替スイッチ、USB3.2 Gen2 Type-C、USB4.0 Type-C、BIOSリセットホールです。
サイドにはポート類はついていません。
前面も同様です。
底面には吸気口があいていて、手前2カ所にゴム脚がついています。↓
ディスプレイの最大開角は↓の通り。
重量は実測で528gでした。一般的な10~11インチタブレットより少し重いくらいで、PCとしてはかなり軽量です。
GPD WIN 2と大きさ比較
筐体の大きさを、他の端末と比較してみます。
まずは小型スマホ代表のiPhone SEから。フットプリントは↓の通り。
厚みはさすがに全然違います。GPD WIN Miniはフットプリントがコンパクトで軽量ですが、厚みは一般的なモバイルノートパソコンよりも分厚くなっています。
続いては↓でレビューした3世代前のGPD WIN2との比較です。
2世代前のGPD WIN3と1世代前のGPD WIN4は↓のように画面スライド式なので、機構が異なります。
GPD WIN2と並べると↓の通りで、特にディスプレイが狭ベゼルで広くとられていることが分かります。
それでいて、フットプリントはそこまで変わりません。進化を感じます。↓
厚みは、GPD WIN Miniの方が少し暑くなっています。↓
重量はWIN2が458gなので、100g弱重くなりました。
実際の使い勝手
まずはインターフェース部ですが、ここは世代を経てだいぶ洗練されています。
もちろんタッチタイピングは不可ですが、ゲームのID/パスワード入力や簡単なメッセージ入力のためには便利です。7インチなのでスクリーンキーボードは結構表示領域を占領してしまうので、物理QWERTYの恩恵を感じやすいところ。
生体認証は非対応です。電源ボタンが兼用してくれていたら嬉しかったですね。
背面にある切り替えスイッチで、おなじみゲームパッドを、マウス操作とパッド操作に切り替え可能。Windowsのデスクトップやブラウザなどのアプリ利用の時は、マウス操作モードを選ぶとカーソル移動やスクロールなどがゲームパッドで操作できて便利です。
7インチFullHDと一般的なアスペクト比で、小さいながら画面はクッキリ見やすいです。
16:9ということで、YouTube動画も黒帯が出ずに全画面で楽しめます。ゲームパッドで再生操作ができますし、サウンドも悪くないので、動画視聴用端末としても優秀です。
ゲームプレイのパフォーマンスについては、後ほどベンチマークスコアを見ていきます。
コンパクトな外付けeGPU「GPD G1」
さて、ここでGPD社の外付けeGPU「GPD G1」を見ておきましょう。
こちら、「世界最小」を謳うRadeon RX 7600M XT内蔵モデルで、GPD WIN Miniでも簡単に使えます。
価格はハイビーム公式ストアのこちらのページで、104,300円でセール中。OcuLinkケーブルセットは111,100円となっています。発送は9月下旬~10月上旬。
GPD WIN Miniと並べると↓の通り。ガッツリGPUとしてはかなりコンパクトな印象。
AMD Radeon RX 7600M XTに8GB GDDR6メモリ搭載で、小型化のカギである電源は240wのGaN(窒化ガリウム)採用。225x111x30mmサイズを実現しています。
前面にはOcuLinkポート(SFF-8612)、USB4.0 Type-C、電源ボタン。↓
背面にはUSB3.2 Type-A x3、SDカードスロット、DP1.4a、HDMI2.1です。
重量は実測で867g。
このほか、電源コードとOcuLinkのケーブルをセットにして使います。
これをGPD WIN MiniのOcuLinkポートに差し込んで再起動すれば、簡単に独立GPUマシンとしてゲームプレイできます。
ベンチマークスコア
ベンチマークスコアを見ておきましょう。
CrystalDiskMarkは、↓の通り。
続いてFF14ベンチマークは、「標準品質(ノートPC)」1920×1080で“快適”の9,303です。
先ほどのGPD G1を接続して再起動をかけると、自動的に認識されました。
この状態でベンチマークを回すと、”とても快適”の14,157になりました。
最高品質でも同等スコアになりますので、FF14は最高品質でプレイできますし、もちろんCyberpunk等の他の思いゲームも同様です。
据置でもGPD WIN Miniを使いたい方には便利なアイテムになるでしょう。
やはり物理キーボードとタッチパッド搭載は安心感
以上、GPD WIN Miniを見てきました。
本機のスペックは、昨今多くの種類が出ているポータブルゲーミングPC同様のハイパフォーマンスな構成になっています。
一般的なポータブルゲーミングPCが、携帯ゲーム機形状のものがほとんどの中、本機は珍しいクラムシェル+物理QWERTY搭載機となっています。
さらにGPDは何年も同様のコンセプトで製品を出してきているため、ゲームパッドはもちろんのこと、キーボードやタッチパッド含めた操作感全体で安定感があります。
7~8インチ級の極小ディスプレイでWindowsを操作すると、ソフトウェアキーボードで画面の半分以上を占領されてしまうのでお世辞にも使い勝手が良いとは言えません。
画面タッチ操作についても、モバイルOSと比べると、Windowsはまだまだな部分が多いです。
そんな中、タッチパッドと(極小ながら)物理QWERTYキーボードを搭載した本機は、Windowsの操作を含めて使いやすくなっています。
もちろんOfficeソフトでドキュメントを作るといった使い方には向きませんが、ゲームメインのポータブルなWindows機としての使い勝手は上位に入るでしょう。
というわけで、ポータブルゲーミングPCをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください!
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