GPD PocketシリーズやGPD Winシリーズなど、昨今のUMPC(小型PC)市場の盛り上がりを作ったのが深圳のGPD Technology社です。
最新モデルが、まもなくクラウドファンディングが開始されるGPD P2 Maxです。
7インチ〜8インチサイズで、ポケットに入るフルキーボード付きの魅力的なPCを多数リリースしているGPD社に、前から伝えたいことがありました。
それは、「VAIO Type-PサイズのUMPCを出してほしい」ということです。
VAIO Type-Pは、下記でまとめたように、フルサイズキーボードとトラックポイントがついたUMPCで、現在のUMPCブームのさきがけのようなソニーの名機です。
ただ当時は、Atomプロセッサという低速なCPUとWindows Vistaという評判がいいとは言えないOSのせいで、あまり実用的なPCではありませんでした。
現在は、Core mシリーズとWindows10の組み合わせで、UMPCはメインマシンとしても使える性能を持っています。
そんな中、GPDやOneMixなどの現在主流の深圳系UMPCの唯一の不満点は、キーボードです。
VAIO Type-Pは、幅が25cm程度あり、18cm前後のGPD PocketシリーズやOneMixシリーズよりも横に長いです。
その結果、Type-Pはキーボードに変則的な配列もなく、タッチタイピングがとてもやりやすかったのです。
一方でGPD PocketシリーズやOneMixシリーズは、筐体の小型化を目指して幅を縮めている結果、キーボード配列が変則的で、打ちにくくなっています。
その点を伝え、ぜひ幅25cm程度のUMPCを出してほしいと伝えに行きました。
さっそくインタビュー
今回、GPD社のマーケティング担当役員である祝开辉氏とお会いする機会があったため、前から伝えたかった上記の内容をインタビューしました。
まず、下記のマシンを持参しました。
- モバイルギア(MC/R330)
- pomera DM200
スペック等は下記にまとめてありますが、これらはVAIO Type-Pとほぼ同じ筐体サイズです。(Type-Pは間違いなく知っているだろうと思って持って行きませんでした)
Type-Pと上記に共通している点が、「キーボードを多用するユーザーにファンが多い」ということです。
持参したモバイルギア↓
持参したpomera DM200↓
VAIO Type-P、モバイルギア、pomera DM200はいずれも、25〜6cmの幅と、12cm程度の高さを持っています。
キーボードを多用するファンが多いこれら3モデルに共通するこの本体サイズが、変則的でない打ちやすいフルキーボード端末の最小サイズだと思います。
そのため、現在のGPD Pocketシリーズのキーボードの課題や、上記3モデルがキータイピングで高い評価を得てきたこと、ジャーナリストや文筆業などタイピングを多用するジャンルのユーザーに根強いファンが多いことを伝えたうえで、「このサイズの端末を出してほしい」と伝えることにしました。
Type-Pやpomera DM200のサイズで、フルキーボードを搭載し、ベゼルを縮めた大きなディスプレイを搭載すれば、神機間違いなしです。
氏はいきなり私がモバイルギアとポメラを取り出して驚いていましたが、まず相当興味深そうに2機を見た上で、GPD Pocket 2と比較し始めました。
様々な角度からモバイルギアやpomera DM200のキーボードや本体の写真を撮影し、GPD Pocket2と比較する祝开辉氏
そして、上記ポイントを伝えました。
「とても魅力的な端末です。このサイズをGPDが作ろうとすると、最大の課題は、金型です」
曰く、これまでにないこのサイズのキーボードを作ろうとすると、金型を一から起こす必要があり、相当額のコストがかかるということ。
つまり、それを回収できるだけの売上げを見込めるのかが課題だということです。
そこで、これらの端末はタイピングを重視するユーザーに支持されてきたこと、日本市場だけでも少なくとも数万台以上のセルアウトを達成してきたことを伝えました。
また、GPD MicroPCは「ニッチなセグメントを集める」というコンセプトの端末である点を踏まえ、「時間や場所を選ばず快適なタイピングができることに対するニーズは、全世界で考えると相当数存在するはずだ」と伝えました。
以下は祝开辉氏からのコメント。
「確かにおっしゃるとおり、GPD MicroPCは一つ一つは小さいニッチセグメントによる需要を集める端末です」
「快適なタイピングに対するニーズが多いことは理解していましたが、pomera DM200のような端末が、日本で実売3〜4万円でも売れていることは驚きです」
「これ(pomera DM200)はタイピングに特化し、スペックをおさえているようです。GPDがこのサイズの端末を作ろうとすれば、高性能なチップやメモリーを搭載し、ディスプレイも大きくする必要があります。やはりネックはコストです」
「この提案は、CEOにも伝えます。ありがとうございます」
「(pomera DM200には)Made in Chinaと書いてあります。嬉しいですね」
最後に、GPD P2 MaxなどGPDの今後発表のモデルラインナップを紹介され、インタビューは終わりました。
おわりに
ということで、「VAIO Type-Pサイズでフルキーボードを搭載したUMPCを今出せば神機になるから出してほしい」というメッセージはGPD社に伝わりました。
CEOにもお話しいただけるとのことで、もしかしたら出してくれるかもしれませんよ!
期待して待ちたいと思います。
おわり