今回は、多数のUMPC(超小型ノートパソコン)をリリースしているOne-Netbook社の新型モバイルノートパソコン「OneMix4」のサンプル機をお借りしたので、レビューします。
10.1インチの2-in-1として世界最小フットプリントを謳う本機。小さいながら、最新世代のTiger Lake Core i5/i7搭載でハイスペックです。
10.1インチは、Surface GoやLet’s note RZシリーズと同じディスプレイサイズですが、本体サイズは↓のように衝撃の小ささです。完全に片手サイズ。
そんな極小フットプリントを実現しているのは、↓の極薄ベゼルです。ディスプレイのサイズとあまり変わらない本体サイズ。
サンプル機を触り、感動して速攻で注文してしまいました。今回レビュー品は英語キーボード版ですが、購入したCore i5/日本語キーボード版が届いたらまたそちらもレビューします。
現在は先行予約期間中で、3月31日まで。発売は4月4日です。
正規代理店であるテックワン社のOne-Netbook公式ストア限定の予約特典として、本体価格10%OFF、デジタルスタイラスペン・オリジナルケースがプレゼントされます。
価格は下記表の通りで、一番廉価な8GB/512GBモデルが税別128,000円(予約価格115,200円)、最も高価なプラチナエディションの16GB/1TBモデルは税別168,000円(予約価格151,200円)となります。
いずれも日本語キーボードが用意されますが、予約限定でUSキーボードを選択可能。
こちらの公式ストア、もしくは下記アマゾンにて予約購入できます。
【日本語キーボード通常版・プラチナ版】
【英語キーボード通常版・プラチナ版】
それでは、さっそく見ていきましょう!
外形とスペック
本体はクラムシェル型のノートパソコン。10.1インチでフットプリントが狭いですが、打ちやすいキーボードと広いタッチパッドを備えています。
スペックは下記の通り。
- カラー:ダークネイビー、スペースグレー(プラチナエディション)
- OS:Windows10 Home 64bit
- CPU:Core i5-1130G7/Core i7-1160G7
- GPU:Intel Iris Xe Graphics(96EU)
- RAM:8GB/16GB LPDDR4x 3200MHz
- ストレージ:256GB/512GB/1TB M.2 2280 PCIe NVMe
- ディスプレイ:10.1インチ(2560×1600)LTPS液晶 300PPI
- マルチタッチ:10点
- 色域:sRGB 100%
- キーボード:QWERTY RGBバックライト付
- タッチペン:2,048段階筆圧検知タッチペン対応(別売)
- Wi-Fi:Wi-Fi6 802.11 a/b/g/n/ac/ax
- Bluetooth:5.0
- インターフェース:USB3.0 Type-C、USB4.0 Type-C、microSD、イヤホンジャック
- 生体認証:指紋認証
- バッテリー容量:10,000mAh 3.85V
- バッテリー駆動時間:連続約8時間動画再生
- 充電:15V/3A、20V/2.25A、45w、60wサポート(最大PD45w)
- 保証:1年間
- サイズ:227×157.3×11-17mm
- 重量:769g
- 同梱物:説明書(保証書)、ACアダプター、USB Type-Cケーブル
- 技適:取得済み
Core i5-1130G7搭載の通常モデルと、Core i7-1160G7搭載のプラチナエディションがあります。いずれも4コア8スレッド。
通常モデルは8GB/16GB RAM、256GB/512GB/1TB SSDから選択で、プラチナエディションは16GB/512GBもしくは16GB/1TBとなります。
今回のレビュー品はCore i7搭載のプラチナエディション。
ストレージはPCIe MVNe SSD。通信はWi-Fi6対応。
ディスプレイは2.5kと高解像度、10点マルチタッチや2,048段階筆圧検知。
バッテリー容量は10,000mAhで、重量は公称769g。
左側面には、USB Type-Cが2つとmicroSDカードスロット。USB-Cは4.0で、最大40Gbpsの高速転送可能。eGPUボックスや、4K出力に対応しています。充電はもちろんUSB Type-C。45wのPD急速充電対応です。
右側面にもUSB Type-C(コチラは3.0)が1つとイヤホンジャック、指紋認証を兼ねた電源ボタンです。
背面には排気穴。
天板にはミラー調のロゴマークだけとシンプル。今回のプラチナエディションはスペースグレイで、通常版はネイビーです。いずれもCNC 6000シリーズアルミ合金。高級感ある外装。
底面には吸気穴です。
重量ですが、実測では約774gでした。
ノートパソコンとしてはかなりの軽量さですが、本体が極小なだけに中身が詰まった重量感があります。持ち運び楽々です。
ディスプレイは360度回転してタブレットとしても使えるおなじみYoga機構。
タブレット形状になっている時はキーボード入力が無効になる機能もちゃんと搭載。
ゴム足で天板を押さえるようになります。写真で見るよりも実際は薄く感じます。
サイズ比較(Let’s note RZ、10インチタブレット等)
さて、本機がどの程度小さいのかを、他の有名な機種と比較して見ていきましょう。
まず10.1インチといえばLet’s note RZ!
↓でレビューしたように、RZは最高のモバイルノートパソコンの一つです。
そしてOneMix4と比較したものがコチラ。
すごいですね。あの小さなRZ5と比べても、数cmずつ小さくなっています。
重ねるとこんな感じ。
さらに厚みも、↓のようにだいぶ違います。
本体のコンパクトさでいえば圧勝です。
秘訣はもちろん、三辺4.5mmの極薄ベゼルです。RZも早く極薄ベゼルモデル投入してほしいです。
iPadをはじめ、一般的な10.1インチサイズタブレットと比較しても、↓のように本機の方が小さくなっています。これまたベゼルのなせる技です。
ちなみに先日購入してレビューした、最小サイズのThinkPadであるX1 Nano。
ThinkPadとしては1kgを切ってかなりコンパクトなんですが、これと比較しても↓のようにもはやUMPCと言っていいんじゃないかというレベルで小さいです。
Let’s note RZシリーズやThinkPad X1 Nanoはそれぞれ神機ですが、サイズだけでいうとOneMix4は頭一つ抜けて小さいです。
大変キレイなディスプレイ
もはやOne-Netbook社のお家芸ともなっているキレイなディスプレイ。
本機も10.1インチで2560×1600なので、大変鮮明です。
初期設定では250%の拡大率ですが、私は150%にして広く使う方が性に合っています。
デイリーガジェットのトップページを表示しても、↓のように窮屈さを感じません。
動画ももちろんクリアです。処理速度が速いので、コンテンツ視聴用としても快適。
キーボード・タッチパッド評価
さて、これまでUMPCは、キーボードやポインティングデバイスが使いにくいのが玉に瑕でした。
本機が従来機と異なる最大のポイントはここで、特にタッチパッドが非常に快適です。
まずはキーボードから。
今回のレビュー品はUS配列ですが、↓のようにおなじみOne-Netbook配列。左右いっぱいに展開されています。
その結果キーピッチは18mm強確保されており、一般的な13.3インチノートとあまり変わりません。
一部キーが省略されていたり、変則的な位置にあることが残念ですが、打ちやすさはかなりのレベル。
キーボード以上に優れているのがタッチパッドです。
通常のカーソル移動やタップはもちろんのこと、4本指スワイプなどの操作も快適にできます。滑らかに動き、広さも窮屈さを感じさせない絶妙なところ。
タッチパッドは、10.1インチの中では最良クラスだと思います。
キーボードの配列はちょっと残念に思いました。
まず同じ10.1インチのLet’s note RZシリーズですが、↓のように変則的な部分が無いフルキーボードになっています。ピッチは狭めていますが、フル日本語キーボードを、十分タッチタイピング可能なレベルでこのサイズに収めています。
クローバー型のキートップや、カーソル独立配置、場所によってピッチを調整したりと、かなりの創意工夫が詰まっていることが見ただけで分かります。
それに対して、OneMix4のキーボードは↓のように、ピッチこそ広いですが、記号キーの変則性は高く、省略されたり集約されたキーが多く、数字キーとFnキーは縦向きに半分のサイズになっています。
日本語入力で重要なハイフンも縦向き半分のサイズになります。
8インチのOneMix3シリーズからまだしも、OneMix4では10.1インチになったので、キーボード配列は自然なものに戻して欲しかったと思いました。
配列の残念ポイントはもう一つあって、ホームポジションとタッチパッドの位置です。
ビジネスノートPCとして定評のある多くのWindowsノートパソコンでは、↓のようにホームポジションとタッチパッドは揃っています。人差し指を置くFとJのキーから真下の位置にタッチパッドがあります。
これにより、入力しながらのタッチパッド操作が自然になります。
また、右の方には記号キーを配置しているので、ホームポジションは少し左寄りになり、タッチパッドもそれに合わせて少し左にズレて置かれています。
Let’s note RZもそうなっています。↓
一方のOneMix4は記号キーを省略しているので、↓のようにホームポジションが右寄りになり、タッチパッドはど真ん中配置なのでホームポジションよりも左に寄っています。
こうなった理由は、おそらく下記を優先したのでしょう
- キーピッチを広く取る
- (おそらくデザイン上の要請から)タッチパッドはど真ん中に配置する
上記を優先させた結果、記号キーを省略配置してホームポジションが右寄りになり、タッチパッドがホームポジションよりも左寄りになるという変則的な位置関係になっています。
タッチパッドをど真ん中にしたのはMacBookを意識したのだと思いますが、MacBookはホームポジションがタッチパッドよりも左寄りになっています。右手でタッチパッド操作をすることを考えるとむしろ使いやすかったりするのですが、OneMix4はこれとは逆向きに寄っている形です。
ホームポジションに手を置くと、端末の真ん中よりちょい右側になり、タッチパッドは真下よりも左寄りにあるというこの状態。
使っていけば慣れるレベルだとは思いますが、はじめは違和感を感じますし、他にはあまり無い配置です。
バッテリー評価
10,000mAhバッテリーは、公称では連続動画視聴8時間が謳われています。
実際に動画再生をすると、輝度最大・音量20%で、10分あたり4%のペースで減っていきました。単純計算では4時間になります。
このあたりは、輝度をおさえれば変わってくるでしょう。輝度最大で4時間連続動画再生ができれば、ヘビーでない使い方であれば1日は持つのではないかと思います。
ペンは遅延が少ない
OneMixには、純正のペンがあります。2,048段階の筆圧検知対応で、通常別売りですが、現在予約期間中は特典として付いてきます。(テックワン直販のみ)
これについては、遅延が想像以上に少なかったです。
Apple Pencilレベルとまでは言いませんが、メモ書き程度であればかなり普通のペンに近い使い方ができるのではないでしょうか。
手書き文字入力もスイスイいきます。
サウンドは一応程度
サウンド性能は特に謳われていませんが、ノートパソコンのスピーカーとしては許容範囲内です。
Dolbyサウンド対応機のような迫力や音質の良さはありませんが、悪いというレベルでもありません。
ベンチマークスコアとゲーム
最後にベンチマークスコアを見ておきましょう。
まずFF14は、ノートパソコン標準設定で5,947です。つまりノートパソコン向けの画質設定をすればFF14がプレイできます。すごい!
CINEBENCH R23は、シングルコア1,285、マルチコア3,487です。
シングルコア性能が特に高いです。
CrystalDiskMarkのスコアは下記の通り。PCIe NVMeなので読み書き高速です。
GFXBenchのスコアは2,047.8。
FORTNITEも入れてみました。
画質を自動設定にしたら下記の通り。
プレイはできますが、カクツキも多いので快適プレイは難しいでしょう。さすがに。
まとめ:小ささと使いやすさのバランスが絶妙
以上、OneMix4のレビューでした。
本機は、小ささと使いやすさのバランスがとにかく絶妙です。
これまで、8インチ以下のUMPCは小さいけど入力周りが使いにくかったのですが、10.1インチだが極薄ベゼルでサイズを限界まで削った本機は、小さいながら入力インターフェースが使いやすくなっています。
とくにタッチパッドは絶妙で、これ以下だと使いにくくなりそうなギリギリのサイズを実現しています。操作感も滑らかです。
また、Tiger Lakeのおかげで、この小ささにして処理性能が高く、バッテリーもすぐ切れるということはありません。
というわけで、快適に使える持ち運び用極小軽量ノートパソコンが欲しい方は、ぜひチェックしてみて下さい!
私は即買いしました。
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