近年、レトロゲーム機を携帯型ゲーム機で復活させるのが一つの流行になっています。
それらは、3つのパターンに分類されます。
1.ゲーム機メーカーの復刻版
一つ目は、ソニーや任天堂などのゲーム機メーカー自身が、過去に自らが発売していたゲーム機を「レトロ」や「ミニ」という冠詞をつけて発売するパターンです。
代表的なものには、↓のネオジオミニやニンテンドークラシックミニ、プレイステーションクラシックがあります。
このパターンは、版権の問題がなく、また往時のハードデザインを踏襲しているというメリットがあります。
一方で、収録されたゲームでしか遊べず、ユーザーが持っているかつてのゲームソフトは遊べません。
2.ライセンスを取った携帯ゲーム機
二つ目は、↓でとりあげた「レトロアーケード」に代表されるものです。
このパターンは、ゲームソフトメーカーにライセンス料を支払い、そのゲームが遊べる携帯ゲーム機を複数発売しています。
メリットとしてはこれも版権の問題がなく、ハードのデザインもレトロなアーケード筐体を模したものなど、レトロゲームファンの琴線に触れるものになっています。
ただデメリットとしては、基本的に一台につき一タイトルしか遊べず、またユーザーが持っているゲームソフトは遊ぶことができません。
3.エミュレーションを使った携帯ゲーム機
これは主に中国の会社が、Amazonなどで販売しているものです。
携帯型ゲーム機にエミュレータを入れたものです。
これは様々なソフトが遊べるというメリットがあるのですが、いかんせん、コピーしたゲームタイトルのROMを大量に詰め込んだメモリーを付けていたりするので、論外です。
また、エミュレータは完全な再現ができないものが多いため、すべてのタイトルが正常に動作するわけでもありません。
理想の携帯型レトロゲーム機とは?
では、理想の携帯型レトロゲーム機とはどのようなものでしょう?
それはもちろん、自宅にある昔のプレステのソフトなどがどこでも遊べる携帯型ゲーム機ですよね。
しかも、版権などの問題もないものです。
そんなゲーム機、無いなら作ろう、ということで、自作している猛者がたくさんいますのでご紹介します。
1.ドリームキャスト
最初は、Gmanというハッカーが作った、セガのDreamcastが遊べる携帯型ゲーム機「The 2DC」です。
まずは↓の動画をご覧下さい。
この2DCがすごいのは、エミュレーターではなく、Dreamcastのマザーボードを小型化して詰め込んだ、という点です。
3.5インチ(320×240)のディスプレイ、5,000mAhのバッテリー、USB Type-C充電、スピーカー、コントローラーが搭載されています。
ケースは、3Dプリンタで作られています。
ただ、ディスクドライブはありませんので、手持ちのソフトはROM化して遊ぶ必要があります。
「欲しいものは作る」その姿勢が素晴らしいですね。
2.Play Station 2
二つ目は、Darkwingというハッカーが作った、プレステ2を小型化した「PIS2」です。
途中中断を挟みながらも、2013年から6年もの歳月をかけて作られたものです。
血と涙の結晶は、↓の動画でご覧下さい。
これは2DCとは異なり、中身はラズパイ(Raspberry Pi)です。
仕組みは、ラズパイをSMBサーバとして稼働させ、外部記憶媒体やネットワーク上のディスクイメージをPS2で起動できる「Open PS2 Loader」を使っています。
つまり、本機でゲームを動かすには、PS2本体が別途必要になります。
ネットワーク経由なので、物理的にPS2の側で遊ばないといけないことはありません。
PlayStationリモートプレイに近いかもしれませんね。
ハードの見た目は高クオリティで、プレステへの愛に溢れています。
3.Nintendo Wii
Wiiについては、2つもあります。
Louii
一つが、↓のLouiiです。
GingerOfOzというハッカー集団が作ったもので、端正な外観とは裏腹に、中身はとてもギークです笑↓
部品表(BOM)をこちらで公開しているため、作れる人には作れます。
厚さ約2.8cm、480pディスプレイ、3.5mmイヤホンジャック、スピーカー搭載で、ゲームはイメージ化してmicroSDカードでプレイします。
バッテリーは4〜5時間もつため、携帯ゲーム機として十分楽しめる出来上がりです。
Game Cube型のWii
こちらは、Wiiのマザーボードを小型化して、3Dプリンターで作ったゲームキューブに似た筐体に詰め込んだものです。
手作り感溢れますが、モーションコントローラーも使うことができます。
ゲームの新たな楽しみ方
以上、レトロゲームが遊べる理想の携帯型ゲーム機を自力で作った世界のハッカーたちの作品でした。
ゲームを買って遊ぶ、プログラミングをしてゲームを作る、それを人に遊んでもらう、などの一般的な楽しみ方だけでなく、ゲームにはこのような楽しみ方もあるのだな、と少し感動しました。
3Dプリンターやラズパイなどのワンボードマイコンの普及は、これらの実現にかなり大きな貢献をしています。
アキバに行けばそろうものばかりなので、興味のある方はこの世界に飛び込んでみてはいかがでしょう?
おわり
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